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酒場の看板娘たち

こんばんは、葛です。固めSS続編です。


エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~ 公式ビジュアルブックエスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~ 公式ビジュアルブック
(2013/08/30)
電撃攻略本編集部

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岩と氷の手品ショーの後日談になります。相変わらずウィルベルとニオが化石&氷になっています。まだ元には戻りません。
エスカ&ロジーで成長して再登場したこの二人が最近凄くつぼです。特にウィルベルは魔法使いな事もあってどんどん固めたくなります。

固め好きの方は続きからどうぞ。







ウィルベルとニオが手品の失敗で彫像になってから数か月の、初夏に差し掛かった昼下がり。デュークの酒場は食事時も過ぎて客はほとんどいない。店主も外へ買い出しに出かけていた。
春にウィルベルの魔法の手品ショーで氷像になったニオの身体が、連日の猛暑日で少しづつ溶けてきていた。ガチガチに真っ白だった全身が少しずつ色を取り戻し、氷柱も一つまた一つと溶け出して来ている。相変わらずニオは青白い氷像のままだが、所々可愛らしいピンクの服の色が戻っている。身体の芯が少しだけ溶けたのだ。
同時に、ニオの意識もおぼろげながら氷の塊から人間の物に復活しつつあった。
(うう……全然動けないや……今日は凄く暑いみたい。みんな薄着してる。いいなあ……私も早く衣替えしたいよ)
氷に覆われた意識のなかぼんやりと客の姿を見つめる。ニオは氷像になった時の驚いて見せたポーズそのままに固まっていた。
今はまだ身体のほとんどが氷のままだが、だんだん生身に戻ってくるにつれて、身体の凝りを感じるようになってきていた。
(凍ってても元に戻ってもコチコチだなぁ。早くお風呂に入りたい。……そうだ、だれかお湯をかけてくれないかな。今なら動ける気がするし!おーい!そこのおじさーん!)
ニオは溶けかけたシャリシャリの指を動かして懸命に客にサインを出そうとした。しかし、薄氷に覆われた肌はピクリとも動いてくれなかった。
それでもニオの想いが通じたのか、旅の人と思われるその見知らぬおじさんは、ニオの氷像へと顔を向けた。
(やった!誰かは知らないけど見知らぬおじさん!ちょっと、そのお湯割りで良いから私の頭にかけて欲しいの!)
「へえ……氷の彫刻か。粋な物があるもんだな、しかも美人さんと来た」
(やだ、照れるよ)
「しっかし、こう暑いと溶けちまうんじゃないのか?これを作るのも大層な手間だろうに。おーい、親父さん!……いねえのか。全く、しゃあねえな」
顔を赤くした酔っぱらいは、そう言うとニオの氷像の両脇に手をかけ、持ち上げた。
(ひゃあ、お、おじさん!くすぐったいよ!)
ニオ氷像は丁度二の腕から脇が溶けかけで、掴まれた腕はひんやりとしていながらも少し柔らかな感触があった。
「えーっと、冷凍庫は、ここか。そらよ」
男は親切にも氷像を台所まで引き摺って運び、食材を保管するための巨大な冷凍庫のドアに手を掛けて、ニオをしまった。
(ちょっと、おじさん!違うの!私を溶かして!ねえったら!)
男はニオを冷凍庫にしまい、バタンと戸を閉めると、ご丁寧にも備え付けられていた急速冷凍ボタンを押した。
ゴォオオオオオオオオーーーーーーーーー
(いやあああ!寒い!さむいよ!折角溶けかけてきたのにー!!!)
強い冷気が、氷の溶けかけていたニオの身体を冷やしなおす。全身が瞬く間に白く染まっていった。もちろん、ニオは瞬き一つできない。
(さ……む…………おねえ…………ちゃ…………………)
たった1分の間に冷凍庫は役割を全うしニオを再び完全な氷像へと変えてしまう。固まりきったニオの意識は再び氷の奥底へと沈み込んでいった。

翌日。
「こんにちはー。デュークさん、本日のチャーハン定食ください!」
店内に明るい声が響き渡る。常連のエスカがいつもの様に食事にやってきた。
店のランチメニューは店の入り口で化石になっているウィルベルが抱えるホワイトボードに書かれている。この光景もすっかりお馴染みになった。ウィルベルは岩の精霊召喚の失敗で化石化して以来、ずっとこの店の『看板娘』だ。元々はつるつるした薄い茶色の化石像だったが、長い間店の外に置かれているうちに雨土の汚れや店からの煙で油がじわじわとこびり付いて居間ではすっかり焦げ茶色。時々店主やエスカを始めとする街の人たちが水やスポンジで汚れを洗い落としてくれるが、すぐまた真っ黒になってしまうので最近は放置され気味である。
「おう、エスカちゃん。チャーハン定食だな。すぐできるからちょっと待ってな」
「はい!……あれ、ニオさん。何だか前よりガチガチになってませんか?」
エスカが少し位置の変わったニオの氷像に気が付いた。
「それがよ……昨日客が酔っぱらって嬢ちゃんを冷凍庫に入れちまったみたいでよ。仕入れから帰ってみたらカッチンコッチンに固まっててな……悪い事しちまったなあ」
「えー!ニオさん、最近やっとやわらかくなってきたのに……」
ニオは手を広げてびっくりした格好で、以前より遥かに強固に再冷凍されていた。大量の氷柱はクリスマスツリーの様に氷像を覆い、キラキラと輝いていた。
初夏は今日から梅雨に差し掛かり、気温はまた下がってきていた。ニオの氷が再び溶けるには、夏の終わりを待たないといけない。

「そうだ、そろそろウィルベルさんを洗わないと!」
食事を終えたエスカは、化石のウィルベルを洗い始めた。ランチタイムも終わり、ホワイトボードも役目をほぼ終えている。
小柄なウィルベルでも岩の塊となればかなりの重さである。エスカは店の裏までウィルベルを転がして運んだ。バンザイをした様に腕を掲げているので、まず仰向けに倒してから腕と足を掴んで横向きにびたんびたん転がしていった。
「うわぁ、真っ黒」
砂埃と油汚れのこびり付いたウィルベルの化石は、水を注いだくらいでは綺麗にならない。エスカはスポンジで身体の隅々まで磨いていった。顔を磨く時は特に丁寧に、スカートの中はウィルベルを逆さに置いて柄の付いたブラシをスカートの中に突っ込んでゴシゴシ磨いた。凹凸の殆どない胸は特に洗いやすかった。
「化石になったウィルベルさん、魔法使いだし、きっと調合に使ったら凄い潜力が発言しそうだよね……は!私は何を!いけないいけない、ちゃんと磨かなきゃ!」
エスカがより強く磨いたので、ウィルベルの化石は3時間ほどでピカピカになった。
「よーし、これくらいでいいかなぁ。それじゃあ、また磨きに来るね。ウィルベルさん!」
ウィルベルを再び店の前に置いてホワイトボードを持たせると、エスカは帰っていった。
この後、化石は梅雨の長雨で泥まみれになってしまうのだが、今日念入りに洗われたのでしばらく汚れたまま放置されていた。元に戻れるのはニオ共々当分先の話になる。
ちなみにウィルベルの化石は、魔力がふんだんに込められた超一級素材である。今日も酒場は平和だった。

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葛

Author:葛
石化や凍結等を扱った固めSSを書いて投稿しています。
月姫リメイクとFLOWERS秋篇が今の生きる希望です。
琥珀さんとエイラ・イルマタル・ユーティライネンを石化する事にかけては誰にも負けません。

固め以外にもアニメとゲームと映画とクラシックなどが好きです。
装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、喜劇の幕が上がる。
折角だから装甲悪鬼村正をやりましょう。

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