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勇者、アルバイト先で石化され売り飛ばされる

こんにちは、葛です。固めSS新作です。

今期アニメは面白いのが沢山ありますね。その中でも特に「はたらく魔王さま」がコメディアニメとして凄くテンポも良くて好きです。事前にチェックしていなかったんですが、3話までで既に良作の予感がかなりあります。原作も1巻を買って読みました。

今日はそのはたらく魔王さまから遊佐恵美(エミリア)を石化します。完全にタイトル通りの展開です。元々ファンタジー要素がある作品なのでなんとなく石化しても良い様な気になりますが、多分原作でそういう展開はないので、原作崩壊にご注意ください。勇者なのにOLでスーツ姿だし髪赤いしで、かなりお気に入りですねエミリア。


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手前の赤い髪の女の子が遊佐恵美(勇者エミリア)です。

それでは固めフェチの方は続きからどうぞ。




魔王軍と人間達が長年に渡り戦いを繰り広げてきた世界エンテ・イスラ。その異世界で17歳の若さにして人間達を引っ張ってきた女勇者エミリアは、魔王を追って現代の日本にやってきていた。やってきたまでは良かったが、魔王を倒す機会はなかなか訪れず、そのままテレホンアポインターとして働きすっかり現代日本に馴染んでいた。勇者の力である聖法気を使う機会もなく、魔王を倒していないので元の世界にも帰れない。エミリアは今は遊佐恵美という名前で一人暮らしをしている普通のOLに過ぎなかった。戸籍登録やら色々面倒な事は、残っていた聖法気を使って暗示で何とかした。17歳だと働き口を見つけるのにも一苦労なので今は戸籍上20歳という事になっている。深紅の長い髪でスーツを着ていてもそれほど怪しまれていないのもその辺の力だったりした。

ある日、そんなエミリア……遊佐恵美が仕事を終えて家に帰ってきた時の事。
「鍵……財布が……無い……無い!?嘘、また!?」
帰り道のどこかで財布を落としたらしい。電車はSuicaを使って乗っていたので気が付かなかった。しかし、丁度定期券の更新期限前だった上にSuicaのチャージも今乗ってきた電車で切れたため、このまま一文無しでは電車に乗る事すらできない。
「どうしよう、どうしよう……もうあいつの家に厄介になるとか死んでも嫌だしそもそも電車乗れないじゃん……でも明日も仕事があるし、あぁあああ」
恵美は最近財布を無くして、宿敵である魔王の住む笹塚のボロアパートに泊めて貰ったばかりだった。魔王は恵美に危害を加えるどころか、自分の命を付け狙う張本人に対して布団と帰りの交通費1000円まで貸してくれた。親切にされればされるほど勇者としてわざわざ異世界までやってきた自分に虚しさを感じたが、その翌日も仕事があったため非常にありがたかった。
「もうあんな惨めな思いはしたくないのに……定期と財布分けてたのに何で鍵財布に入れちゃったんだろ……もうやだ帰りたい……」
ほとんど涙ぐんでいた恵美は、玄関の隙間に挟まれていたチラシに目を留めた。
「石像モデルアルバイト募集?何これ怪しい……え、この近くじゃない……時給1500円で即日勤務・夜勤OK、終了後賃金現金払い、女性希望、学生の方も社会人の方も副業としておすすめの仕事です。ご希望の方はいつでも24時間面接受け付けます、詳しくはこちらの住所まで……」
怪しい。バイト内容も怪しいが求人条件が輪をかけて怪しい。日雇いのアルバイトを24時間受け付けるという時点で全力で避けたい求人だった。しかし文字通り一文無しだった恵美は、明日の仕事に出かけるための交通費が何より必要だった。
「すぐそこだし、少し話を聴くだけでも……」
時給の高さより終了後に現金払いという点に釣られた。仮に今から行ったとしてそのまま夜勤に入れたら2時間分くらいは稼げるはず。3000円あればとりあえず2日は何とかなるだろう。仮に仕事がきつかったとしても、恵美にはやってのける自信があった。
「朝から晩まで数か国語のクレーム対応に追われるテレアポを舐めない事ね……モデルなんて立ってるだけじゃない」
そう呟いた恵美は、自分が歴戦の勇者エミリアでもあったことを思いだして悲しくなった。それでも日銭は欲しい。自分の部屋に入れなかったので、スーツ姿のまま謎のアルバイト先へと歩き出した。時間的にそろそろスカートが寒いしヒールが痛かった。

 
恵美がチラシに書かれた場所に行くと、シャッターの降りたガレージがあった。いたずらかと思ったが、閉じたシャッターにバイト募集の方はシャッターを上げて中へどうぞと書かれていたので中に入った。ガレージの中は明かりが点いていて、奥に長い髪の女性が目深に被った帽子で顔を隠すように座っていた。恵美は少し驚いたが乗りかかった舟で女性に声をかける。
「あのー、チラシを見てアルバイトに来たんですが」
「あらいらっしゃい。すると何をすればいいかはもう分かっているのかしら」
「いえ……モデルのバイトとは聞いてますけど」
「それならいいわ。早速始めたいんだけど、いい?」
「履歴書や面接はいいんですか?それに条件もまだ詳しくは……」
あっけない対応に、恵美はここに来たことを半ば後悔し始めていた。
「チラシを見たなら条件はその通り。支払いは現金で時給1500円。この仕事が終わり次第お支払いします。今日から働くという事で構わない?」
「ええ、夜勤OKというお話でしたので、今夜だけのつもりで来ました。日中はまた仕事があるので、ひとまずは今夜だけでできないかを訊きたくて……」
「そう、それならこのまま8時から働いて貰うわね。お名前は?」
「遊佐恵美です」
「恰好はスーツのままでいいわ。ちょっと待っててね……」
そう言うと女性は仕事机の中から写真を取り出した。
「この写真のポーズの恰好でじっとしていて欲しいの。動かないでくれればいいの」
「えっと、他には……」
「仕事はそれだけ、簡単でしょ?」
写真にはマネキン人形が移されていた。二本の足ですっと立ち、左手を頭の上に伸ばし、右手で二の腕を掴んで少しだけ腰を曲げている。長時間座りっぱなしだと無性にこうやって伸びの姿勢を取りたくなるが、確かにずっと取り続けるにはきついポーズかも知れない。しかし、それだけで仕事が終わると言うのは流石に変だと思ったが、恵美は言われるがままないポーズを取った。
「こ、こう?」
「そうそう。素晴らしいわ。やっぱり貴女は綺麗ね、勇者エミリアさん」
「え?」
その一言で恵美は凍り付いた。勇者エミリアの名を知っている者なら、この女性もエンテ・イスラから来た事は間違いない。そして思わず女性を見返した恵美は、いつの間にか帽子を外して見えるようになっていたその目と視線を合わせてしまった。
ピシッ
(あ……あれ……身体が……)
「もう自分ではピクリとも動けないはずよ。鏡を見せてあげる」
そう言って女は恵美の前に鏡台を運んできた。恵美は鏡に映った自分の石像を見た。
(石化……してる……)
エミリアは身体を伸ばしてポーズを取ったまま全身が石になっていた。その目は既に虚ろで、驚いた顔をしているのが自分でもよく分かる。スーツ姿で伸びをして、まるで職場で休憩している最中に仲間に驚かされたかセクハラでもされた様な間の抜けた顔だった。エンテ・イスラの勇者エミリアの面影はどこにも見えない。
(あんたは一体何者なの!何でこんな回りくどいことを!)
「もう分かっているんでしょう?私も異世界から来たわ。もっとも、エンテ・イスラで貴女に逢った事はないけれど……視線を合わせた時に相手を石にできるのが私の能力。勇者エミリアにまともに立ち向かっても適うわけないんだから、奇襲するのが一番なのは解ってた事よ。最近貴女もお金に困ってたみたいだから、隙を見てチラシを入れたけれど、おもしろいほどまんまとかかったのね」
(違うから!雇用条件を確認しようとしただけよ!よくも私を騙して……!)
「あら、まだ騙してはいないわよ。『仕事が終われば』ちゃんと条件通りの時給で支払うつもりだから。最も、短期でとは一言も言ってないから、私としてはこのままずっと石像アルバイトを続けてもらうつもりよ。もう生活費もかからないから、年も取らずにお金は貯まる。良かったわね」
(馬鹿な事を……!)
「一度石になってしまえば勇者と言えども怖くないわね。今は残った聖法気を使って私とテレパシーで会話できるみたいだけど、いずれはそれも尽きるはずよ」
(そんな……嘘よ!すぐにエンテ・イスラから迎えも来るし、職場から連絡も来るし!)
「そう言って今まで何か進展があった?貴女が必死にOLやっていても誰も迎えになんか来ないわよ。そうね……折角いいポーズで石になってくれたんだから少しでも高く買ってくれる所を探さないとね。それじゃあ、またね。何もできず石になった勇者エミリアさん」
そう言い放って、女はガレージを後にした。明かりも消されても、石化した恵美は一切動けない。
(まって……!ちょっと……何で元に戻れないの……?……私は……何の為にここまで来て……あぁぁああぁぁ……)
石化してなお残り少ない聖法気で辛うじて人間としての意識を保っていた恵美だったが、石の身体では自らに治癒の術をかける事すら適わなかった。石と化した身体に宿る魂はやはり石そのものでしかなく、勇者エミリアとしての意識は1週間後に完全に石と同化した。恵美の必死の抵抗も虚しく、元はエンテ・イスラで破格の強さを誇る勇者エミリアだった美少女OL遊佐恵美は、身も心もただの石像と化したのである。


一月後、都内のとある駅前に恵美の石像が置かれていた。休憩中のOLの自然なポーズを捉えた彫刻は「午後のひととき」という題名を付けられ広場の中心に飾られていた。もちろん、恵美が石化されたそのままの姿だが、道行く人々は石像が元は人間だった事も異世界の勇者エミリアだったことも知らない。恵美がここに運ばれてきてからも、世界は変わらず日が昇り、雨が降り、恵美の石像もまた朝露に濡れた姿で陽に照らされ輝いていた。このままずっと彼女はこの駅の風景の一つとして人々に親しまれる事となる。遠い未来、この駅が無くなる時恵美の石像もまたどこかへ売られて行方が分からなくなるが、それもまた別の話である。
今朝もまた、通勤に向かう人々を勇者エミリアの石像が灰色の瞳で見つめている。







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葛

Author:葛
石化や凍結等を扱った固めSSを書いて投稿しています。
月姫リメイクとFLOWERS秋篇が今の生きる希望です。
琥珀さんとエイラ・イルマタル・ユーティライネンを石化する事にかけては誰にも負けません。

固め以外にもアニメとゲームと映画とクラシックなどが好きです。
装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、喜劇の幕が上がる。
折角だから装甲悪鬼村正をやりましょう。

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