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迷宮美術館

こちらは初めてpixivに投稿した固めSSになります。

今回の固めは石化と凍結、あと壁埋め、彫像化です。

女の子が出てきては固まって、現れては様々な方法で固められていきます。

試行錯誤しながら色々な固めを出し、長さも含めて今でも気に入っています。

石になった子が元に戻れる時、戻れないときについて考えて書いていた記憶があります。


それでは、続きからどうぞ。



人々が魔物を狩ることを日々の糧として生きていた時代、野心を持った者は誰も彼もが冒険に出た。
それは女子供でも例外でなく、持って生まれた魔法の資質など一部の自分の能力に自信を持つ者は冒険に出るのが当たり前の時代だった。
 
「それで姉さん、今日の獲物は?」
「この森を抜けた先の地下遺跡ねー。まぁ、気楽にいきましょ」
「そうですね、お腹もすいて来ましたし様子見程度で切り上げるのがいいでしょう」

二人の姿は瓜二つだった。年はまだ16、7といったところで、二人とも短く切り揃えた黒い髪に青いローブと大きなイヤリングが特徴的だった。まず間違いなく双子だろう。
姉さん、と言っているところを見ると、どちらかというと立ち振る舞いが落ち着いている方が妹で、快活そうな娘が姉ということになる。

「たしかこの遺跡にはギルドから正式な探索以来が出ていないはずですが、勝手に来ても良かったんでしょうか」
「いいじゃない、いつも依頼を受けてばっかりなんだからたまには自分の冒険をしたいじゃない。いわば今日は趣味よ、趣味」
「そうは言ってもこのあたりには変な噂もいろいろあります、今日はあくまで調査というように考えた方が良さそうですよ」
「変な噂って?」
「なんでも、この辺りでは冒険者が石になって発見されることがよくあるとか」
「あーそれはかわいそう。でもそれっておかしくない?石化されて発見されるなら、それはもう噂じゃなくて事実じゃない。第一、石化だったら元に戻せばいいじゃない。私たちだって新米のころはよく石になってたところを助けられてるわけだし」
「それが・・・冒険者の石像はみつかるんですが、それが人に戻った例はないそうです」
「それって、元に戻れないって事?」
「人間になった石像がない以上、それがただの石像である可能性も否定できず確認は取れないそうです」
「ただの石像って・・・そんな簡単に落ちてるものかしら?」
「さあ。そんなことより姉さん。あれを」
「え?」

双子の視線の先には一体の石像があった。

「噂をすればってやつね」

石像は法術士の少女の姿をしていた。年は双子とさほど変わらないか、少し下くらいだろう。法術士といってもまだ駆け出しのようだ。全身をローブで覆い、杖を体の前に構えているが、どうも腰が引けている様でバランスが悪く今にも倒れそうな立ち方をしている。
顔を覗くと、前髪を垂らした先の目はきっと見開かれたまま色を失い、小さく開けられた口から少女の動揺が見て取れる。

「駄目だぞー。治す側が固まっちゃあ。元に戻れなくなっちゃうじゃない」
 姉はそういいつつ石像の頭をコンコンと叩く。
「姉さん、可哀そうです」
「でもさ、これだけ驚いた顔がそのまま残っちゃうんだから、石になった方はたまったもんじゃないよね」
「そうですね。去年の暮れに姉さんがコカトリスに追いかけられて石化された時などはもう大変・・・」
「ああっ!もう!恥ずかしいこと思い出させないでよ!」
そう言って姉は顔を赤く染めながら、常備している石化解除薬を取り出した。
「はーい。いま元に戻してあげるからねー」
そう言ってローブの少女の頭からなみなみと薬を注ぐ。

「・・・」
一分が経った。
「姉さん」
「戻らないね」
「やはり噂の・・・」
「怖いこと言わないでよ・・・。元に戻れない石化なんてあるなら、冒険者なんてやってられますかって!」
「でもこの子、本当に怖がってるみたいですよ。まるで自分がこれから石化される事をわかってるみたいな・・・」
「いやいや!これはただの石像!人じゃないです!きっとこのあたりには空前の石像ブームが起きてるんだって!」
「それはたとえ望んでも起こらないと思いますが」
「あーお姉ちゃんなんだか気味が悪くなってきたわ。もう遺跡は目と鼻の先なんだから、こんなところ早く離れて、先へ進みましょ!」
「そうですか・・・姉さんがそう言うなら・・・」

双子の姉妹は若干の不安を感じながらもその場を後にした。
後には解除薬を頭から被った少女の石像が残された。水滴は顔を伝って、涙の跡の様に流れていた。



「着いたわね」
「地下遺跡は初めてですね姉さん」
二人が遺跡への階段を降りようとすると真上から声がした
「そこの二人――!ちょっとまったあーー!」

見上げると、木の上に長身の女性が仁王立ちしていた。腰の下まで長い髪を後ろに束ね、なぜか剣を構えている。装備からしておそらく女剣士だろう。

「どうかしたんですかー?」
「どうもこうもないよ!私は天下一の剣士を目指すべく武者修行をするはずが!どういうわけか今まで一度もまともに戦ってくれる相手もなく!一人黙々と修行を続ける中!やっと決闘してくれる人が現れたと思って指定された場所に来てみても誰も来ないで早一週間!もう貴女たちでいいからお命頂戴致す!」
「さすがにわけがわかりません」
「すっぽかされたのよあなた」
「うるさーい!もう怒った!いや最初から怒ってる!とにかく私と勝負しなさい!二対一でいいからお願いします!」
「なんだかかわいそうになってきましたね姉さん」
「受けてもいーですけどー!その勝負っていうのは本当に正式な決闘でいいんですかー?」
「ほんと!?やったあ!じゃない。もちろんだともー!あ、いや、ですともー!命のやり取りで、相手を再起不能にした方が勝ちですー!」
決闘を繰り返して名を挙げた武芸者はこの世界に数あれど、この女剣士はとてもそうは見えない。おそらくそういった武勇伝にあこがれた剣士の卵だろう。

「じゃあー!とりあえず降りてきてくださいー!もう大声出すのも疲れましたー!」
「いやー!ここでいいー!一刻も早く始めたいー!というか覚悟!!」
 そういって女剣士は飛び降りるとともにさっきからずっと構えていた大剣を振り下ろしながら二人のもとに突っ込んできた。
 「うわ!不意打ち!ひどい!」
 「そっちがそうくるなら、私たちも本気で相手をせざるを得ないです」
剣先は妹の目と鼻の先を通過していた。しかし女剣士は落下の衝撃で返しの一手を撃てずにその場から立ち上がろうとしていたその時。
 「えい!」

 姉の投げた袋が、女剣士の目の前で破裂した。
 「きゃあ!」
もくもく上がった煙が晴れると、女剣士が先ほどの構えた体制のままで痺れていた。
 「あ・・・あお・・・なんれすか・・・これは・・・」
間の抜けた声で女剣士が質問すると待ってましたとばかりに
 「これはね、貴女みたいな厄介な人や、モンスターを動けなくして捕まえるための痺れ薬。この薬だけだと人間なら大体6時間くらいは動きを止められるかなー」
 「ひ・・・ひべれ・・?」
 「どうですか。決闘で名を挙げる人を迷惑に思う冒険者もいるんです。今の薬を浴びた時点でもう私たちの勝ちも決まりです。今後、馬鹿な真似をしないとお約束して下さるんでしたら、今すぐにでも解除薬を調合しますが」
 「ほんなことはでひない!わたひは!けっほうをふづけなくへは・・・!」
 「・・・・・・どうしても・・・ですか?」
女剣士はまだ目で抵抗の意を表す。どうも悪い方向に意志が固いようだ。
 「仕方ないですね・・・姉さん、いいですか?」
 「一週間くらいでいいんじゃない?」
 「では・・・」
そう言って新たな薬品を取り出すと
 「頭を冷やしていただきます・・・」
女剣士の全身にくまなくその液体を注いでいった
パキパキパキパキ・・・・
 「!?ひゃあああああああああああああああああああっ・・・・・・・・・・・・・・・・」
ひんやりとした煙が晴れると、女剣士の氷像が現れた。

「今の薬は、さっきの薬と合わせると超低温になってふりかけたものをガチガチに凍らせるの。でも安心して、もともとは食糧とかを保存するためのものだから凍らせてもちゃんと元通り解除できるし。貴女の場合一週間後に解除魔法をセットしたから」
「(え・・・なに・・・い・・・一週間!?)」
「ただし、指定の薬をかけるか魔法がかからない限りどんな事があっても氷が溶けることはありませんからそのつもりで・・・。あと凍っても意識が残ることは姉さんが実証済みなのでこの話も聴こえているはずです。ゆっくり頭を冷やしてください」
「(やだ・・・こんなに寒いのに一週間もだなんて耐えられないよ・・・ねえ!反省しますから!もう決闘なんて言いませんから!お家帰るから!だから助けてえええ!)」
 微動だにせぬ氷像が心の中で泣いて謝る声が外に聴こえるわけもなく
「縁があったら、また会いましょ♪」
「(いやあああああ!さぶいいい!こわいいい!ごめんなさいいい!うわああああん!)」


二人が去った後には体中から氷柱を垂らした真っ白な女剣士の氷像が残された。


 「そんなこんなでやってきました地下遺跡!」
 「見事に何もないですね・・・本当に遺跡なんでしょうか?」
 「もしかしてはずれかもしれないわねー・・・帰りましょっか?」
 「そうですね。さっきの剣士のお姉さんもさすがにそろそろ反省してるでしょうし、帰りに元に戻してあげましょうね」
 「よし、そうと決まれば戻りましょう・・・あれ・・・入口ってどっちだったっけ・・・?」
 「私たちは階段を降りてからずっとまっすぐ来たはずですが・・・」
 「だったら・・・なんで後ろに壁があるの?」

二人が来たはずの道を振り返ると、あるはずのない壁が目の前に存在し

 「なんでしょう・・・これ・・・」
 「女の子・・・だよね・・・人間の・・・」

壁には少女のレリーフが埋め込まれていた。
衣装と長い髪から、高貴な身分の高貴な身分にある女性のレリーフだと判断できる。
ただのレリーフならこの遺跡の飾りとして見過ごすこともできる。
しかしその少女の浮かべる表情はあまりに悲痛で
両手を挙げて埋め込まれた姿はあまりに不恰好で
装飾としてはあまりに不自然極まりないものだった

「なにこれ・・・?」
「・・・良くない予感がします。姉さん、壁のことは一旦置いて方角はどうなっていますか」
「それが・・・それがさっきから方角が滅茶苦茶で、一方向を指してくれないの!」
「なんですって・・・・・・きゃあ!」
不自然な叫び声をあげて、妹が姉の前に倒れこむ。
「何!?どうしたの!?」
「体が・・・思うように・・・動きません・・・」
「しっかりして!今なんとかするから!」
「・・・!駄目です!今私に触れては・・・!」
遅かった

「あれ・・・どうして私まで・・・私どうしちゃったの?」
二人は今、何者に操られているかのように自分の意志とは裏腹の動きをしている。
ゆっくりと二人は立ち上がり、ちょうど対になる様に手足を伸ばしバレリーナのようなポーズを取る。
「なに・・・するんですか・・・姉さん・・・!」
「私じゃない!私じゃないよ!」
二人のポーズが決まると頭上から無機質な声が聴こえた。

「・・・ガガ・・・対象の停止ヲ確認・・・コレヨリ固化ニ移リマス・・・」

「「え?」」

すると動けないでいる双子の足下の土が盛り上がり、双子の身体を徐々に包んでいった。

「やだ・・・!なにこれ・・・!」
「きっと遺跡の罠です・・・!このままじゃ私たち土で窒息して・・・」
「嫌よそんなの!なんとかしないと・・・!」
「でも動けません!ああっ!」
「いやあああ!」

二人の身体はすぐさま全身土でコーティングされた。
しかし不思議なことに二人は窒息することなく、まだその意識を保ち続けていた。
「(あれ・・・私・・・まだ・・・生きてる・・・?)」
「(姉さん!姉さん!聴こえますか!)」
「(そこにいるの!?私たちどうなっちゃったの!?)」
「(たぶん・・・土にされてしまったのではないかと・・・)」
「(そんな!?これからどうすればいいの!?)」
「(固められた後も意識が残っていることから考えて、おそらくこれも石化の一種です。待っていればそのうち助けが・・・)」
「(助けなんて!いつくるのよ?)」
「(そんなの・・・わからない・・・)」

「対象ノ固化を確認・・・コレヨリ定着ニ入リマス」

先ほどと同じ声が頭上で聴こえたと思うと、双子の像に向かってレーザーが発射された。
ビイイイイイ・・・・

「(きゃあああああああ!)」
「(いやあああああ!冷たい!冷たいいいい!)」

二人に注がれた冷凍光線は、二人を覆っていた土を硬く固めるとともに、二人の身体を芯まで冷やし、土と同化させて石の様に固くしていった。

二人は薄れゆく意識の中、ああ、こんなに固められてしまったら、元に戻るものも戻れなくなるな、と行きがけに見た法術士の石像のことを思い出した。

「仕上ゲニ入リマス」

レーザー光線によって岩へと変質した二人の身体に、強烈な風が吹きそそぐ。
風は二人の身体を磨き上げ、今度こそ完全な彫像を作り上げた。

それは見事な美術品と言っていい。
同じ姿、同じ顔を持つ少女が、同じ恐怖の表情を浮かべ、対になってポーズを取っている。
先ほどのレリーフの少女と比べると、その特殊な状況はあらかじめ美術品として作られたものと言っても違和感のないものだった。

「ツイニ・・・完成・・・ヤット・・・完成・・・」
無機質な声は、何かをやっと成し遂げたかのような声を出して、動作を終えた。


それから遥かな年月を重ねたのち、この遺跡は世にも精巧に作られた希少な石像群の発掘される遺跡として有名になる。
双子の彫像はその中でも特に高値で取引されるものとなったが、本人たちがそれを知る由もない。


ちなみに
「(寒いよー!もう一週間たったよー!?早く助けてええええええ!)」

双子が彫像化されて魔力が途絶えたため女剣士にかけられた解除魔法が発動することはなく、当分の間その氷が溶けることはなかった。



おわり
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葛

Author:葛
石化や凍結等を扱った固めSSを書いて投稿しています。
月姫リメイクとFLOWERS秋篇が今の生きる希望です。
琥珀さんとエイラ・イルマタル・ユーティライネンを石化する事にかけては誰にも負けません。

固め以外にもアニメとゲームと映画とクラシックなどが好きです。
装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、喜劇の幕が上がる。
折角だから装甲悪鬼村正をやりましょう。

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