Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

-件のコメント

[C35]

その所で彼女達の世界は行方不明事件になった事にも知らない事になったよ・・・
  • 2015-05-07
  • 投稿者 : NAKATA
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

-件のトラックバック

トラックバックURL
http://kohak3.blog.fc2.com/tb.php/139-a1a0ac4f
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

青い地球をもう一度

弁解させてもらうと、私は洲崎綾さんの大ファンです。






人の創り出した文明の発展は留まる所を知らず、今や外宇宙への移動も旅行も珍しい事では無くなった。母なる惑星を飛び出して人類が別の惑星で暮らす事が可能になってから早数千年の月日が経っており、今や多次元空間から生物を移動させてくる事すら可能となった。
しかしその代償として、地球は水を喪った。もはや人類の住処は地球から遠く離れた果てにあり、残された荒野に佇むのは外宇宙へと旅立つ翼の無い者達ばかり。自由人が遠い銀河の果てで惑星を破壊する遊びに使用している素粒子爆弾の欠片を投げつけあい着実に惑星人口を減らしていった。
どうしてこのような争いが起こったのか。何故地球は見捨てられた星になったのか。その答えは一つ。水が無い。人類はその文明の発展により病と食糧補給の必要性からは解放されたが、水だけは身体の構成分子として欠かす事ができなかった。
水を、海の残りを、湖の残骸を求めて人は殺し合い、疲れ果てていた。この星から逃げ出す術は既に宇宙の果てへ持っていかれてしまった。

しかし今、地球に留まる事を選んだ一握りの科学者がこの悲惨な現状を打開する装置を開発した。実現すれば、無から水が生まれる噴水。これが完成すれば、この世の全ての問題が解決する。
「材料が足りないんだ!!」
科学者の一人が叫んだ。彼の掛ける眼鏡の左側にはレンズが嵌っていない。
「どうしたんだ。この噴水を完成させるには美しい声を持つ少女を組み込むだけ、あと数日で完成すると言っていたじゃないか。既に20人は買い集めてある。何が足りない」
「計算が間違っていた!同じ声じゃないと駄目だったんだ!!」
「同じ声?どういう事だ」
「美しい声を持つ美しい少女の身体を石化させ装置に組み込み装置内を音波回路で稼働させることで大気中の水分だけでなくこの世界を構築する原子も概念も全て利用して噴水から無限に水が出てくる。それは良い。しかし、それには同じ声帯から発せられる声を、少なくとも五人以上用意しないと駄目だったんだ!ちくしょう!ここまで来て!!」
「双子ではだめなのか?クローンでは?」
「もう試したさ。結果はほら、見ろあの通りだ」
一人目の科学者が指差す先には、鎖で首を繋がれて背中合わせになった12歳程の双子の少女の彫像があった。その口から零れ落ちているのは、水では無く、植物性の油だった。
「嗜好品なんて要らないんだ!生きるために必要なのは水!水!水だ!ああ、どうしてお父さんは僕を置いて木星へ行ったのだろう!せめてその脳だけでも僕に遺してくれても良かったのに!」
「落ち着け、落ち着くんだ!なあ、本当に同じ声の少女を集められれば噴水は完成するんだな?」
「ん、ああ、間違いない」
「それなら手はあるぞ。完璧な方法だ。資源の有効活用だ」
二人目の科学者は、場所を変えようと提案した。


「異次元生物転送装置?今更こんなものを何に使うんだ?」
「同じ声の持ち主であればいいんだろう?双子でもクローンでも無理なら、別の次元からかき集めてくればいいだけさ」
「本当か、どう探せばいい?そもそもそんなに居る物なのか?」
「別の次元には無限に世界がある。その中から拾ってくれば同じ声の持ち主を探す事なんて造作もないさ。最初の一人の声紋を取って硬化装置に組み込んで声を条件に検索すればあっという間さ」
「そうか!君は天才だよ!しかし声紋はどう取ればいい?石化させてしまっては声を出す事はできないぞ」
「呼びだして最初に、名前を訊けばいい。記録も付けたいしな。幸い我々にはどんな異次元の生物にも言葉を通じさせることの出来る翻訳機がある。呼びだしたのが人間なら、名前を呼ばれれば答えるはずさ」
「分かった。それではやってみよう」
円柱型の、透き通った硬質の素材でできた異次元生物転送装置の外側にあるボタンを押すと、早速その中に少女が転送されてきた。

しゅう、と音を立ててガラスの檻に閉じ込められた少女は、突如自分の置かれた状況が分からずに戸惑っていた。
「あの、ここはどこですか…?ステージの演出、なのかな……」
年の頃は20に満たない位の、白く華やかな衣装に身を包んでマイクを持った少女が不安そうに呟く。涼やかな声だった。前の世界では歌の舞台を終えた直後だった様で、ステージ衣装を身に纏ったまま長い髪を束ねた所だった。
「君の名前を教えてほしい」
「あ…新田美波、です」
「よし分かった。始めてくれ」
「あの、何を…」
「君にはこれから人類の命運を担う役目が与えられる。どうか光栄に思ってほしい」
「私、戻らないと…まだ出番が残っているんです」
「硬化スイッチ、オン!」
二人目の科学者が転送時と別のボタンを押すと、カプセルの中に閃光と灰色の煙が満ちた。新田美波と言う少女は、一瞬にして全身を石化され純白の彫像に変わっていた。
「よし、一人目だ。噴水に組み込め。口は開いているな?」
「OK。問題ない」
彫像となった美波はそのまま縄に括り付けられて乱暴に噴水装置の下まで運ばれ、噴水少女の第一号として組み込まれた。

二人目は由緒正しい女学院のものと思われる、やや目つきのきつい少女だった。
「けほっ、こほっ。ここはどこなの?私、これから歌のレッスンがあるのだけど」
「そんな事より君の名前だ。教えてくれ」
「孝崎千鳥よ。貴方、テレビは見ない方なのかしら」
「よし、やれ」
「え?」
目つきの鋭い少女は、小さな口をぽかんと開けてやや戸惑いを見せながら真っ白な彫像になった。紺色の制服も、艶のある黒髪も、元々白かった肌も、全て同じ色。石化した孝崎千鳥は、そのまま目出度く噴水少女第二号として運ばれていった。

「君で三人目だ。名前は?」
「軽空母、鳳翔です。あの、貴方が新しい提督ですか?」
「そうだ。さようなら、珍しい名前の人」
袴と弓道着を思わせる服に身を包んだ落ち着いた髪を長く束ねた女性は、そのまま石化された。
「しまった!口を閉じてやがる!」
「何、鼻から出せば問題ない。次行くぞ」
口元を閉じた状態で彫像になった鳳翔は、鼻の穴から水を流し続ける噴水にされる事が決まった。

「君は?」
「え、おもちが好きです」
「変わった名前だな」
本当の名前は北白川たまこと言う少女は、彼女の実家で作られる餅と同じように真っ白な彫像にされて運ばれていった。

「私の名前はエルフェルト=ヴァレンタインですが、私が起こされたという事はつまり……」
「そう、また眠ってもらう」
ウェディングドレスに身を包んだどこか人間離れした雰囲気を持つ少女もまた一瞬で真っ白に石化された。
「これで五人揃ったな」
「お、まだまだ来るぞ」

固めても固めても、装置には次々と同じ声をした少女が転送されてくる。
「ボクが最上さ!」「リカンツ=シーベリーよ!」「雷よ!かみなりじゃないわ!」「電です」「あ、どうも恐縮です!青葉です!」「I'm enterpriseの…」「一人前のレディとして扱ってよね!」「Верный」
次から次へと転送されてくる少女たちを確実に石化しながら、噴水に継ぎ足していった。
「最後の方、やけに似たのがいっぱいいたな」
「同じ声なんだ。姿が似ていてもおかしくないさ」
「そんなもんかな」
こうして、人類を救う無限に水の湧き出る少女型噴水が完成した。


荒れ果てた大地に、再び水が満ちてゆく。遠い昔に青い惑星と呼ばれた地球が再びその姿を取り戻そうとしている。
「それもこれも、全てこいつらのおかげだな」
一人目の科学者が、完成した噴水少女の塔を見上げる。ある者は口から、ある者は鼻の穴などから無限に水を出し続けている。それは決して枯れる事の無い、命の水。
彼女たちが元の世界で、どんな暮らしをしていたか、誰も気に掛ける事は無い。
ただ水を生み出す奇跡の彫像として、全ての人類から感謝された。これからも、永遠に。
スポンサーサイト

1件のコメント

[C35]

その所で彼女達の世界は行方不明事件になった事にも知らない事になったよ・・・
  • 2015-05-07
  • 投稿者 : NAKATA
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://kohak3.blog.fc2.com/tb.php/139-a1a0ac4f
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

プロフィール

葛

Author:葛
石化や凍結等を扱った固めSSを書いて投稿しています。
月姫リメイクとFLOWERS秋篇が今の生きる希望です。
琥珀さんとエイラ・イルマタル・ユーティライネンを石化する事にかけては誰にも負けません。

固め以外にもアニメとゲームと映画とクラシックなどが好きです。
装甲悪鬼村正 二〇〇九年一〇月三〇日、喜劇の幕が上がる。
折角だから装甲悪鬼村正をやりましょう。

最新記事

カウンター

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。